代表挨拶

全国中高教育模擬国連研究会 代表
公文国際学園中等部・高等部 教諭
米山 宏

 こんにちは! 全模研のHPへようこそ!

 全模研=全国中高教育模擬国連研究会は2015年に当時模擬国連活動を活発に行っていた学校の先生方10数人が集まって結成されました。その目的は別項に示した通り、未来を担う中高校生たちに模擬国連という教育プログラムを提供することで、国際社会に対して有為な人材を輩出することにあります。

 ご承知の通り、模擬国連プログラムには多くのすぐれた教育効果が認められています。私が模擬国連に尽力するのは、「教育のフルコース」と呼ばれるほどのその価値を高く評価しているからです。「フルコース」の意味は英語力、スピーチ力は勿論のこと、知識集積、情報収集力とその選択力、リーダーシップや協調性、コミュニケーション力や他者に対するリスペクト、果ては対話の際の人格的なことまで含めて学校教育で目指すほとんど全ての力(=総合力)が培われるということです。このように多くの教育効果が認められる模擬国連活動を積極的に活用し、その在り方を研鑽してより有意義な形で生徒へ提供していこうという志のもと、多くの先生方が集まって全模研が構成されています。

 模擬国連活動に勤しむ生徒たちをみていると本当に楽しそうです。それは彼らが自らを「模擬コッカー」と称していることからもわかります。彼らは上記のような力がつくことを自覚しながら、多くの他校の生徒とふれあって、コミュニケーションをとりつつ政策課題を克服し、一つの決議案にまとめていくというプロセスを楽しみ、達成感を得ているのだと思います。私は常々彼らに模擬国連は「論破」ではなく「対話」だと語っています。相手を打ち負かすわけではなく、対話を重ねることでwin-winの関係を作り平和的な解決に導いていく。そしてそれは本来の国連の議論にも当てはまるものであると思います。

 昨年(2023年)のAJEMUNの報告書でも書きましたが、ある新聞記事に哲学者の永井玲衣さんが対話の重要性について以下のような内容をコメントしていました。「対話は論破とは異なって相手や自分が『変わりうる』ことをどこかで握り合っている時間を共有している。それが対話の醍醐味である。」これを読んだときにまさに私は模擬国連での対話の重要性を再認識したのです。模擬国連では決して相手を論破するのではありません。対話することによってお互いに歩み寄ることができる。お互いを理解することができる。お互いが変わりうる前提で、お互いの事情を納得し合って決議案を書き上げなければなりません。対話という営みによって相互のリスペクトを産みだし、平和的な解決への道筋をつけることができる。そしてそれこそがまさに対話を中心とした交渉を重ねる模擬国連の専売特許であり醍醐味であるはずなのです。

 日本の模擬コッカーの中から、いつの日か国連の事務総長を輩出したい。もちろん、通常大国からは選出されないということは知っていますが、私にはそんな夢があります。ぜひ日本出身の元模擬コッカーが、模擬ではなく本当の国連総会の場で指導的役割を果たして欲しいと切に願っています。私は日頃から模擬国連の意義は本物の国連の存在意義と全く同じだとも語っています。全模研の先生方は中高生に模擬国連活動を広く推進することによって、平和な国際社会を形成することに貢献できると信じています。模擬国連の力を信じています。そんな信念をもった教育関係者が集い、手弁当で運営しているのが全模研です。

 全模研に入会資格はありません。費用もかかりません。全国の学校関係者であればどなたでも入会可能です。以上のような内容をご理解の上、ご興味がありましたらぜひ全模研にご入会ください。詳しくは入会案内のページをご覧ください!それでは今後とも全模研をよろしくお願いいたします。

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